コンプレックスの意味とは?

コンプレックスとは精神分析用語の1つで、記憶や感情などが複雑に絡み合って形成された心理を指します。

日本では、自分が他者よりも劣っていることに引け目を感じる「劣等感」という意味で使われる事が多い言葉です。

コンプレックスという言葉は知っていても、どのような心理の事なのか、劣等感とは何なのかいまいち分かりにくいかと思います。

ということで今回は、コンプレックスの意味や解消法などについて詳しく解説していきます。では、一緒に見ていきましょう。


コンプレックスの由来と使い方
  1. 由来
  2. コンプレックスは英語で「complex」と書きます。「complex」自体は「複合の、複雑な、入り組んだ」という意味であり、劣等感などの精神分析用語として使われるときは「inferiority complex」と書きます。

    日本で使われる「コンプレックス」は、「inferiority complex」の後ろの言葉だけを切り離したものです。

  3. 使い方
  4. コンプレックスの使い方は以下の通りです。

    小さい頃から容姿にコンプレックスを感じている
    学歴が高い人を見るとコンプレックスを感じてしまう
    周囲の同僚と違い、仕事を上手く進められないことがコンプレックスだ
コンプレックスの類語と対義語
  1. 類語
  2. ●「劣等感」
    劣等感とは、自分が思う理想と現実に落差があり、現状の自分が劣っていると感じる感情のことです。

    ●「引け目」
    引け目とは、自分が他人より劣っているように感じことです。

  3. 対義語
  4. ●「優越感」
    優越感とは、自分が他人よりも優れている、他の人より立場が上だ、特別な存在だと感じる感情のことです。

コンプレックスと呼ばれる心理状態とはどういったものか

精神分析用語としてのコンプレックスは、怒りや悲しみの感情が入り交じり、どのような感情がはっきりとは分からないような自分ではコントロールしにくい複雑な感情のこと全般をいいます。つまり、劣等感のことだけを指している訳ではない、ということです。

精神分析用語としてのコンプレックスに当てはまる例としては、自分の顔立ちが好きではない人が、人から「可愛い」と言われても素直に喜べず、疑ったりいら立ちを感じる感情が当てはまります。

では、他にどのようなコンプレックスがあるのかを次で見ていきましょう。

コンプレックスの例
  1. 学歴コンプレックス
  2. 学歴コンプレックスは、自分の学歴に納得しておらず、現状に不満を感じている劣等感のことをいいます。高学歴の人と話すときや就職・転職活動のときに学歴が重視されたときに、苛立ちや引け目が顕著に出てることがあります。

  3. 容姿コンプレックス
  4. 容姿コンプレックスとは、自分の顔や体形に引け目を感じてしまうことをいいます。容姿をからかわれたり、バカにされたりしたことで、自分の見た目が好きになれないでいる人が当てはまります。

  5. マザーコンプレックス
  6. マザーコンプレックス(略してマザコン)は、子どもが母親へ強い執着心を持っていることをいいます。幼少期は母親を愛し信頼していることが通常ですが、大人になっても母親離れが出来ず、子どものように母に接しているとマザーコンプレックスと呼ばれるようになります。

  7. ロリータコンプレックス
  8. ロリータコンプレックスは、思春期を迎える前の少女に対して、恋愛感情を抱くことをいいます。幼い少女を可愛いと思うことはごく自然な感情ですが、少なくとも半年以上の長期に渡って少女・幼女へ恋愛感情を抱く場合は、ロリータコンプレックスに該当するようです。

コンプレックスの原因となるもの
  1. 過去の体験
  2. 過去に人からからかわれたり、バカにされた経験があると、コンプレックスを抱いてしまうことがあります。何気なく言われた一言であっても、長く心の中に残ってコンプレックスを育ててしまいます。

  3. ネガティブ思考
  4. ネガティブ思考が強いと、それがコンプレックスを生むこともあります。自分の中にあるネガティブさだけではなく、周囲にいる人のネガティブさから影響を受けることもあります。人から継続的に否定されたり、後ろ向きな発言ばかりだったりすると、その意見が本当のことだと感じてしまうのです。

  5. 自信がない
  6. 自分の良いところを認識できていなかったり、褒められた経験や成功体験が少ないと、自らコンプレックスを生み出してしまうことがあります。

  7. 他者への憧れが強い
  8. 他人の良いところばかりに目が行って、自分と比較することでコンプレックスが生じることもあります。例えば、コミュニ―ケーション能力の違いも個性の1つですが、社会はコミュニケーションへの上手くできない人へのあたりが強く、それがコンプレックスとなる場合もあります。

コンプレックスの解消法
  1. 人にコンプレックスを打ち明けてみる
  2. 相談できる人がいれば、思い切って打ち明けてみるのも良いでしょう。自分ではダメだと思っていることも、他の人から見れば大した欠点ではないかもしれません。自分を客観的に見るために、第三者の意見をもらうのも良いでしょう。

  3. カウンセリングを受ける
  4. 過去のトラウマからコンプレックスが生じている場合は、カウンセリングで専門家の力を借りてみるのも良いでしょう。複雑に絡んだ原因から抜け出すのは難しいため、専門家を頼ることで解決に向かうこともあります。自分の感情との上手な付き合い方を教えてくれるでしょう。

  5. 短所を長所にする
  6. 自分が短所に感じることでも、捉え方を変えてみると、短所ではないことに気付けるかもしれません。また、劣等感を感じないくらいに長所を磨くことも解消法の1つです。全ての人には長所と短所があります。自信がある人は、長所にたくさん目が行っているだけにすぎません。誰かが誰かに引け目を感じる必要は、一切ないのです。

まとめ

劣等感という意味の「コンプレックス」を持つこと自体は悪いことではなく、むしろ誰しもが持っています。

しかし、自分はダメだと考え込んでしまうとコンプレックスが大きくなり、辛さしか感じなくなってしまいかねません。コンプレックスによって生きることが辛くなるのであれば、自分に合った方法で上手に克服していっても良いかもしれません。

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